Sapphiresan's blog

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映画『トップガン マーヴェリック』を観て…オールドファンの深読み(ネタバレあり)

映画『トップガン マーヴェリック』を観てきた。

36年前に前作、映画『トップガン』を観た私は、この続編は絶対に観ようと思っていたが、色々あって、すぐには行けず、公開から何日か経ってやっと、予告動画も見ないまま、批評や関連の記事も全く読まずに劇場へ足を運んだ。

何の先入観も持たずに観てみたい…そう思ったのだ。

 

オープニングから流れたのは、あの曲、Kenny Logginsの『Danger Zone』。
聴いたとたんに懐かしさが込み上げ、ワクワクする気持ちが高まるようだった。

そして、この瞬間、私は確信した!

前作『トップガン』のファンを絶対に裏切らないよ、この映画は…と。

 

以前、『スターウォーズ/フォースの覚醒』以降、『スターウォーズ』の続編を観て、失望と無力感に襲われた経験から、”続編”と聞くと、慎重になってしまうが、今回の『トップガン・マーヴェリック』に対しては、その心配は無かったように思う。

どうしてかと言うと、『トム・クルーズ』の映画だからだ。

彼は、できる限りスタントマンを使わずに、自分自身で激しいアクションをこなす事で有名だが、それを可能にするために、日々厳しい鍛錬を積んでいる。

つまり、プロ意識が高く、何事も徹底的にやるタイプであり、ファンへのサービス精神も旺盛!

しかも製作にも携わっている。

 

今回の映画の中で、画面左から右へ、離陸態勢で滑走する戦闘機の横を見送るかのようにマーヴェリックが、カワサキのバイクに乗って並走するシーンがあった。

これは見覚えのある光景で、前作『トップガン』の中にもあったが、それは画面右から左へ走って行くシーンだった!(記憶違いでなければ)

これに気づいた人は居るだろうか?

たぶん、前作『トップガン』をよく観た人間にしか判らない事だ。

ほかにもある。

前作『トップガン』では、エリートパイロット達が授業を受ける態勢で居た時、後ろから、航空宇宙物理学の女性教官『チャーリー』が現れたのだが、『マーヴェリック』は、それが昨夜、バーで自分がナンパを仕掛けた相手だと判って、「しくじった~」という顔をしてうつむきながらサングラスをかける、というシーンがあった。

それが今作では、トップガンに呼び戻されて初めて、『マーヴェリック』がそれとは知らずにペニーのバーを訪れた時、成り行きから、エリートパイロット達に店から放り出される始末となったのだが、後日今度は、『マーヴェリック』が教官として皆の後ろから現れて、エリートパイロット達は皆、「しくじった~」という顔をするのである。

同じシチュエーション!

これは愉快だった!

前作『トップガン』と、そのファンに対する『オマージュ』だと思われる。というか、勝手にそう思っている。

『ペニー・ベンジャミン』も前作からの絡み(指令官の娘)。

そして、浜辺でのアメフトシーンも!

前作では、ビーチバレーだったが、今作では、アメフトとなり、若手パイロット達の躍動感あふれるシーンには、観ているこちらも楽しくなってくるようだった。

そう、この若手パイロット達が、素晴らしかった!

マーヴェリックを恨む、亡きグースの息子ルースターや、ハングマン。

前作と違うのは、女性パイロットの存在。

実際、前作公開の数年後に、やっと女性にも戦闘機パイロットへの道が開かれたらしい。つまり、今作にはそういう女性達に対してのリスペクトも込められている。

 

今作でのミッションは成功したものの、マーヴェリックが機体を失い、敵の攻撃にさらされ、もうおしまいかと思われた瞬間、ルースター(前作で亡くなった、相棒グースの息子)に助けられた!

ここで、この映画は、ジ・エンドかと思いきや、そうではなかったのである。

ここからが、やま場だった!

マーヴェリックは、ルースターと共に敵地に忍び込み、あの前作で見た懐かしい、F-14戦闘機を奪い脱出する。マーヴェリックが操縦し、後部座席にルースター。

そう…、ここに意味がある!

かつての、マーヴェリックとグース…。そして今、マーヴェリックとルースター!

しかし、敵に気づかれ攻撃を受けて、武器を使い果たしたマーヴェリック。

今回のミッションで、「誰も死なせない!」「全員生還させる」と宣言していた彼も、敵機にロックオンされ、「許せ、グース…」と心の中でつぶやく。

もう駄目だ、と思った瞬間、敵機は爆発!

上司の命令をはねのけ、駆けつけた『ハングマン』に助けられたのである。

こうして何とか空母に帰還した後、歓声の中、「命の恩人だ」と語るマーヴェリックに、ルースターが「親父の代わりだ」と言って、やっと二人は過去の確執を乗り越えたのであった。

そして、ライバルとして牽制し合っていた、ルースターとハングマンの間にも、新たなそして確かな絆が結ばれた。このシーンは、前作のマーヴェリックとアイスマンを彷彿とさせるシーンとなった。

前作を超える、戦闘機の信じられないようなアクション!そして、描かれたヒューマニティ!

だが、それだけでは無かった!

音楽だ!

音楽がまた素晴らしかった!

Kenny Logginsの『Danger Zone』は言うに及ばずだが、これを出勤途上の車の中で聴けば、やる気が出ること疑いなし!

ルースター役の『マイルズ・テラー』が歌う、『GREAT BALLS OF FIRE』も良い!

パイロット達のアメフトシーンで流れた、『I AIN'T WORRIED BY ONEREPUBLIC』も楽しく聴ける。

そして、『LADY GAGA』の『HOLD MY HAND』が素晴らしかった!!

私は実は、レディーガガの声も歌も聴いた事がなかった。

存在はもちろん、奇抜なファッションや行動などは、ネット記事で知っていたが、音楽は知らなかった。

こんな風に、心を揺さぶる音楽を作れる人だとは、知らなかったのである!

そうして私は、サウンドトラックを買う事になった。

届いたのがこれ!

サントラ初回限定版CDのジャケット

これには、オリジナル・ステッカーや大きなポスター、そして歌詞カードと嬉しいことに、特製のクリアファイルが付いていた!

 

この映画を観た直後の感想は、「トム・クルーズ…さすが!!!」であった。

前作のファンのみならず、多くの観客を喜ばせたのは間違いない!

実に、『プロ!』であった。

久々に、感動し、スカッとした。劇中、誰も(味方は)死ななかったのが良い!

 

そして、今作を観て来たあとで、Huluで前作『トップガン』を観た。順序が逆だけれど…。

36年経ったとは思えないほど、今でも新鮮だったし、トム・クルーズが若くてとってもピュアな感じ!

キレイな眼を見たら、「ああ、そうだった。36年前のあの時、すでにトム・クルーズのファンになってたんだ、わたし…」と気がついた。

その後、父の死や自分の離婚や転職等、ロマンに浸る間もなく年月は過ぎたが、映画って本当にいいものだな、音楽って本当にいいものだな、と改めて感じた次第。

 

思いの8割くらいしか書けなかった、と思うが、それでもこんなに長くなってしまった。

ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

 

 

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