胸が締め付けられるようだ……。
5歳園児の死因は熱中症 園長1人で送迎「自分がバスの鍵かけた」 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
最初の報道を聞いてすぐ、込み上げるものを感じた私に、数十年前の記憶がよみがえった。
2歳になる少し前から、保育園に預けられるようになった私の息子は、よく泣いた。
朝の支度の際に徐々に機嫌が悪くなり、朝食と着替え、排便をドタバタと済ませ、何とか保育園に到着したところで最高潮!
もう号泣だ!
おまけに暴れ回る!
私は、誘拐犯のように無理矢理抱きかかえ、園の玄関前まで出てきてくれた保母さんに、引き剥がされるようにして息子を渡し、後ろも見ずに立ち去らなければならなかった。
だが、ならし保育の期間が過ぎて、しばらくすれば、子供の方も慣れてくる。
何があっても連れて行かれるのだと悟り、自分で入って行くようになる。
許してくれ。仕方がないのだ。働かなければ…。稼がなければ生きていけない。そのためには保育園に預けるしかないのだ。他に選択肢は無い。
文字通り、後ろ髪を引かれるような思いをして出勤し、最初は仕事にならなかった。保育園でどうしているだろう。
自分の身体が半分、どこかに行っているようだった。
その当時でも、保育園を選ぶ余裕は無かった。
自宅近くか、職場近くか、探して応募して…、入れるとは限らない。
入れたとしても保母さんが、全員熟練した良い人で、完璧な保育をしてくれるのか?
そう思いたい、そうであって欲しい、いや頼むからどうか我が子を大切に扱ってください。
預けなければならない以上、信頼するしかない。そして祈るしかないのだ。
事件の保育園や園長については、その後の報道で色んな方面から、分析と批評が既に出ている。
『業務上過失致死』とは?
今回の事件は、『過失』というレベル・問題、ではない。
親にとって、何人子供が居ようが、ひとり一人が唯一の存在だ。
代わりは居ない。大切な大切な、この世にたったひとりだけの存在。宝ものである。
怠慢と、命を軽んじた結果、事件は起きた。
償う、などと軽々しく口にしない事だ。
母親の涙が涸れる日は来ないだろう……。
慰めの言葉は見つからない。