もう、20年くらい前になる。
はっきり覚えてないが、多分そのくらい…。
10月10日体育の日(当時)、だったのは覚えている。
高校時代の同級生に誘われ、初めてのカフェに連れて行ってもらった。
そこは、話題の新しいカフェで、ランチ時でもあり、混んでいた。
秋晴れの、穏やかに晴れ渡った良いお天気で、私たちは、テラス席に落ち着いて楽しく食事をしたのだが、途中で友人がお手洗いに行くと言って席を外したその後、私が何気なく、空を見上げた時だった。
東の方向は見晴らしのよい場所で、延々と畑が続き、その向こうは、海になっていたし、左方向には遠くに空港もあった。
一機の大きな旅客機が、おそらく空港への着陸態勢なんだろう、右方向から少し下向きに飛んでいく。
それはいいんだけど、もうひとつ飛んでいる。
「なんじゃ、こりゃ!」
目をこらしてよく見たが、やっぱり見える!
急いで振り向いたけど、友人はまだ戻って来ない。
動いてる!
飛行機と同じように動くので、最初はまるで牽引されてるかのようだった。
でもそんなはずない!
ハンググライダーか?パラグライダーか?はたまた、凧か?飛行船か?
こちらからは、距離感がつかめない。飛行機とその物体との距離感もつかめない。
なにせ、ソレはサングラスのような形だけど、平面のまま、態勢も形も変えずに移動してゆく!
見逃しそうで心配だったけど、もう一回振り向いてみたが、ほかのテラス席の人たちの誰も気づいていない様子。
大声を上げて「あれ、なに?」って、指差したらよかったかもしれないけど、何でもなかったら恥ずかしい…なんて思ってしまった。
また、位置を確認したけど、やっぱり動いてる!
なんで、友人はまだ帰って来ないんだ!って、半分、怒りながら、後ろ向いて、また空を見たら、今度は飛行機だけしか居なかった!!
「消えた!!!」
私の幻覚か???
わからない…。
友人が席に戻って来たが、言いかけてやめた。
スマホはまだ無かった時代。ガラケーはあったけど、写真を撮る、なんてこと忘れてた!
自分の見たものが信じられなかったから。
翌日の新聞にも、それらしい記事は無かった。
空港に問い合わせようかと一瞬思ったが、とにかく生活に追われていて、忙しさに紛れていった。
でも時々思い出す。
どう考えても、あの形で少しもぶれずに飛行できるものって、物理学的にも無理なんじゃないの?って…。
じゃあ、何?
私は、それまでも、それ以後も、他の人に見えないものが見えたりするタチではない。
ちょっと思ったのは、見ていた空が広くて青くて、まるでこちら側は水の中のようだったから、じゃあ空に浮かんだ『あの物体』は水中メガネであり、異次元の水面から中(こちら側:つまり地球の様子)をのぞいていたんじゃないか、エイリアンが…、なあんてね。
最近、『四角いUFO』で検索してみたが、一致するものは無かった。なんで無いの?
だけど、そのスジの専門家や研究家と一緒になって調べるのはやめておく。
怖いから…。
ただ、現実的な科学的な説明のつく話が見つけられたら、安心するけれど…。
つまり私の勘違い、って事ならね……。