Sapphiresan's blog

人生は楽しむべきもの

本当にあった不思議な話【前編】

何度思い出しても「不思議だった」、としか言いようのない出来事だったので、記録しておきたいと思い、書く事にした。

長くなるので、【前編】と【後編】に分割。

念のために申し添えると、これは「怖い話」ではない。

 

あれは、もう20年以上前のことである。

 

私が離婚して数年後の、ある日のこと。

よく晴れた暖かい日だったと記憶している。初夏だったような…

 

仕事休みの日だったか、私は部屋でふと、先祖の供養が気になった。

私は、それまでにも何か思う事がある時、辛い時などにひとり、車で父方や母方の先祖の墓参りに行く事があった。

ただこの日は、既に亡くなっていた父の墓ではなく、父の実家の先祖代々の墓へお参りに行きたくなったのである。

春のお彼岸でもなく、秋のお彼岸でもなく、お盆でもない。

 

父は三男であり、本家は父の長兄が跡取りとなっていたが亡くなり、妹(私にとっては叔母)が二人、存命であった。

本家の土地建物には、もう誰も住んでいなかったが、他家へ嫁いだ長兄の次女(私にとっては従姉妹)とその夫が時々来て、先祖代々の墓も管理していた。

 

その父方の、先祖代々のお墓をお参りしたい…今日だ!今だ!今すぐ行こう!

そんな気持ちが、何故だか湧き上がるように押し寄せた。

慌てて出かける用意をし、何となく「母を誘わなければ」と、マンションの別フロアに住んでいた母の部屋に行く。

私は母とは折り合いが悪かったので、いつもならわざわざ誘ったりしない。

今は亡き母も、当時は元気だった。

「今から墓参りに行くけど、どうする?」「次はもうしばらく行けないと思うよ」

「行くなら早く用意して!」と強めに言うと、母は訳が解らない、という顔で「そ、そんなら行こうか」と言って、一緒に行く事になった。

行く道中、車内で「なんでこんな急に…」とブツブツ言っていた。

それでも、「向こうの家(本家)に誰か来てたら渡したいから」と母が言うので、途中でお供えのお菓子を買って行った。

お彼岸に墓参りに行った時などは、本家に寄って、いつもそうしていた。

「本家に誰も居なかったら、持って帰って自分達で食べてもいいし」と。

ただ、母が行くのは10年ぶりくらいじゃないか?

父が亡くなる数年前から別居していた母は、父の兄妹達とも仲が悪く、そのせいもあって随分久し振りであったと思う。

 

本家からほど近いその墓所は、周りに古い小さな他家の墓がたくさんあり、整備されておらず、父方の先祖代々の墓までは、なかなかたどりつけなかった…ずっと前は。

 

そうして私の運転する車が、その墓所のそばに到着。

いつもの所に車を停めて降りてみると、あれっ?景色が違う!

 

 

《本当にあった不思議な話【後編】》につづく・・・