『ムラサキシキブ』の花言葉…「聡明」・「上品」・「愛され上手」
道端で、とても綺麗な紫色に感動して、写真に収めたけれど、これは『果実』だった!
皆様よくご存じの、『紫式部』というのは、平安時代の歌人で、『源氏物語』の作者。
写真ではよく判らないけど実物は、たいそう美しい紫色で輝いており、一瞬目を奪われた!という感じであった。
ムラサキ、で思い出した事がある。
私が小学校一年生の時、古い木造校舎の冬はとても寒かった。
教室に一台ずつ、ストーブを焚いてくれるのだが、あまりにも寒いので、制服の上にカーディガンを着用してよい事になった。
色は『紺色』と決められていたが、各自自前のカーディガンを着て来るので、人によりさまざま。
『紺色』にも色々あるから、『黒に近い紺色』、『青に近い紺色』、そして『紫に近い紺色』や、多少の刺繍花柄が付いているもの、など。
確か、年度の途中で転入して来たAさんが、『紫に近い紺色』のカーディガンを着ていたと思う。
私は、その小学校には外部の幼稚園から入学したので、内部幼稚園から大勢で繰り上がってきた子達とは違い、友達が居なかった。
そんな私に、よく話しかけてくれたのが、Aさんだった。
彼女は、家にも呼んでくれたりして、私たちは仲良くなった。
明るく朗らかで優しくて、何にでも積極的。
困っているクラスメートがいたら、飛んで行って手助けする。
幼い私でさえ、こんな人がこの世には居るんだ…なんて感心するほどだった。
まるで、天使!
宗教には関係なく、本当に、天使みたいな人だと思った。
ある日の授業中。音楽の授業だった。
先生に指名された子が、「リコーダーを忘れて来ました。」と言った。
するとすかさず、「ハイッ!」と手を挙げるAさん。
「私のを使ってくださいっ!」
しかし、先生はそれを許さなかった。
そこから先生は、他の人が口をつけたものを貸し借りしてはいけないと、理由を丁寧に諭すように説明してくれた。
Aさんは、少しがっかりしたように見えたが、でも納得したようであった。
リコーダーを忘れたBくんは、ちょっと落ち着きのない、いたずらっ子で、どちらかと言うと、皆に疎まれている存在だったから、彼に自分のリコーダーを貸してあげようなどとは、ほかの誰も言い出すはずが無かった。
そんな状況でも、Aさんは「貸してあげる」と言ったのだ。
何の計算打算もなく、すぐに行動する。
この件で、Aさんの人柄は一躍、学年中の皆の『感心』を集めた。
ところが、それからじきに、Aさんは父親の仕事の都合で転校してしまったのである。
後から聞いたところによると、父親というのは大学病院の医師だったらしい。
それから二十年以上が経ち、ふと気になった私は、彼女の名前でググッてみた事がある。
するとそこには、彼女の論文が…!
医師になっていたのだ!
驚きと同時に、嬉しくなった。
きっと、『いいお医者さん』になってる事だろう。
今でも彼女の幸せを願ってる。