Sapphiresan's blog

人生は楽しむべきもの

私が助けられた話②

これもまた、今からウン十年前の話。

ひとりでアパート暮らしをしていた頃の出来事。

 

ある日の給料日。

少し残業をした後、車で帰り道に自宅近くのATMに立ち寄った。

確か、それは午後8時前後であったと思う。

すぐそばには、夜9時頃まで開いているスーパーマーケットがあり、そこの駐車場に車を停めたが、照明が少なくて、私が停めた場所は真っ暗だった。

 

 

ATMで8万円ほど引き出して、大きい方の財布に入れ、いったん車に戻った。

車内は暗くてよく見えなかったが、ライトも点けずに、大きい財布から1万円だけ取り出して折りたたみ、バッグの中から出した小銭入れに入れ、それを上着のポケットに入れた。

小銭入れだけ、いつでも出せるようにして、あとはリュックを背負い、ちょっとスーパーに寄ろうと…

そう思っての行動。

そして、車から降りた。

その時「バタンッ」、とドアを閉める音と同時に、「ドサッ」という小さな音がした。

「えっ何だろう❓」と思って、今自分が立っている地面やその周りを見てみたが、なにせ暗い❗よく見えない❗

目をこらして見てみたが、何もない。

気持ち悪いが、とにかく早く買物しないとスーパーの閉店時刻が迫ってる。

急いでスーパーに入り、買物が終わったら、一気に仕事の疲れが出て来た。

バタバタと車に乗り込んで、そのまま帰宅。

 

大きい財布が無くなっている事に気づいたのは、翌朝だった。

 

そうだ❗

あの「ドサッ」という音は、私が大きい方の財布を落とした音だったのだ❗

 

たぶん、車内で自分の膝の上に財布を置いたまま立ち上がり、車を降りた時に上着に引っ掛かっていたのがずり落ちた❗

しかも転がって、車の下に入り込んだので、見えなかったんだろう。

そうしてうまい事、車輪で踏むことも無く、気づかずに帰って来てしまったんだな。

 

なんてこと❗

大事な大事な今月の生活費があ❗ およそ10万円入っていたはずだ❗

 

たまたま今日が休みで良かった。

昨日の駐車場に行ってみる。

自分が停めた場所を見てみる。

でも、付近を含めて、なあんにも見つからない❗

 

はあ~っ…

でも、ひょっとしたら落とし物として、スーパーで預かってくれてるかもしれない。

 

聞きに行った。

 

店員さんは、「お財布の落とし物は預かってないですよ」とおっしゃる。

 

絶望…

 

すぐ、近くの警察署へ紛失届を出しに行った。

こういうのは初めてだったが、「紛失届」なんだよね。

「盗難届」ではなく…

盗まれたという証拠は無いのだから❗

 

…今月どうやって生活しよう…

次の日、暗澹たる思いで仕事をして帰宅。

 

すると固定電話が、なにやらピコピコ赤く光っているではないか❗

留守電だ❗

 

内容を聞いてみると、それはまさに「天の助け」だった❗

 

電話は、あのスーパーマーケットの店長さんからで、「お財布をお預かりしていますので受け取りにお越しください」というものだった。

 

喜び勇んで急行した🚗💕

 

店長さんいわく、「あの晩すぐに、財布の落とし物だと、店に届けてくださった方があったので、お預かりした店員が店の金庫に入れておいたけれど、勤務交代時の申し送りに不備があり、あなたの問い合わせ時点では『預かってない』と言ってしまったようだ。本日、店長が金庫を開けて気づき、財布の中身を確認したところ、当店のメンバーズカードが入っていたので連絡先が判明した」という事らしい。

 

中身に間違いがない事を、店長さまの目の前で確認し、何度もお礼を申し述べ、店を後にした。

良かったあ~っ❗

 

ただ、誰が拾って届けてくれたのかは判らない、という事だった。

 

でも、お金も全て無事だった❗

スーパーのカードが入っていたおかげで、私の元に返ってきたという訳だ❗

 

しかし、拾ってくださった方に深く感謝❗

 

あの時刻、あの暗闇で、たぶん見てる人なんか居ない❗

ネコババされたって不思議ではない。

お札だけ抜き取るって手もあるらしいし…

魔が差す」とか、いわゆる「出来心」なあんて起こさずに、キチンと「落とし物」として親切にも、店に届けてくださるなんて…

 

本当にほんとうに、「こんないい人が居るんだ」「世の中は捨てたもんじゃない」などと、また思った。

 

本当に有り難いと思った。

 

その後、警察署に出向き、事情を説明して「紛失届」を取り下げた。

 

 

あの時の「幸運の財布✨」は、それからも大切に使い、皮が擦り切れ色がはげ、ついには壊れてしまうまで、長きにわたり、私の役に立ってくれた。

 

 



 

 

(心に残った事を、思い出した時に、気ままに書いています)