昨年末、息子と観に行った映画について、書いておこうと思う。
『ホイットニー・ヒューストン』と言っても、若い人は知らないかもしれない。
1985年のデビューアルバム、『そよ風の贈り物』は大ヒットとなり、1987年のアルバム『ホイットニーⅡ~すてきなSomebody』も大ヒット。
1992年に初主演映画『ボディガード』が公開され、そのサウンドトラックは、1994年のグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞し、シングル『オールウェイズ・ラブ・ユー』が最大のヒットとなった。
私は最初から最後まで、ホイットニーを知っていた訳ではない。
ある知り合いが当時レコード店に勤めており、「あなたはどんな音楽が好み?」と聞いてきたので、おおまかな好みを伝えたら、勧めてくれたのが『ホイットニー・ヒューストン』の歌だったのだ。
試し聴きをして気に入り、アルバムのカセットテープを買って、大切に聴いた。
のびやかで力強い歌声は、その表現力も素晴らしく、多くの人達が魅了されたと思う。
映画『ボディガード』も観た。
後に離婚した私は、出かけるたびに、車の中で何度もなんども繰り返し、彼女の歌を聴いた。
しまいには、カセットテープがすり切れ、ブチ切れてしまうほどに…。
『ホイットニー・ヒューストン』は、2000年頃から薬物で報道され、しばらく低迷したが、その後の事はよく知らなかった。
でも結局、2012年に薬物が原因で亡くなってしまった。
私もしばらく音楽をたしなむ、という余裕が無かったけれど、何年か前にサブスクで、ホイットニーの『オール・アット・ワンス』を聴いたら、スマホも凄いね、音がいい!
涙が出た…。
今回、この映画が公開されると知って、絶対に観ようと待っていた。
主演のナオミ・アッキーが熱演し、『ホイットニー・ヒューストン』の喜びと悲しみ、栄光と挫折、が再現されたかもしれない。
ただ、観終わって私が感じたのは、悲しみ。。。
歌のシーンでは喜びが沸き起こったけれど、今現在、彼女はもう居ないのだ。
48歳でこの世を去るなんて、早すぎる。
もっともっと、その素晴らしい歌声を聴かせて欲しかった。
その後、少しは気をつけて、見ているが、『ホイットニー・ヒューストン』のように歌う人を見たことがない。
類いまれなる才能だった。
離婚して間もない頃の私を慰めてくれた、あの歌声に感謝する。