先日東京へ行った時に、有楽町のTOHOシネマズシャンテで観て来た。
地元でいつも行く映画館には、この映画は来ていなくて、家から遠い別の映画館で公開されたが、気がつけば上映開始時刻が、夜遅い時間帯しかない、という事になっていたので、どうしようかとモヤモヤしていた。
もういいか、と思いながら東京に来て、想定外に時間が取れたから、上映館と開始時刻を調べて、有楽町に行ってみたのである。
【名優トム・ハンクスが町一番の嫌われ者の男を演じ、孤独だった男が隣人一家との触れ合いを通して再生していく姿を描いたヒューマンドラマ】(映画.com)
久しぶりに、良い映画を観た気がした。
作り過ぎていない、心あたたまる映画。ヒーロー映画でもなく、アクション映画でもなく、SFも関係ないけど、しみじみ泣けてくる映画だった。
素直な気持ちで、ゆったりとして、自然と受け入れる。
そんな気持ちで観たら、感動間違いない!
わたしの心に残るシーンは、次のとおり。
引っ越して来た隣人一家のマリソルに、車の運転を教える事になったオットー。
が、運転が上達せず、仮免から進展しそうもないマリソルは弱気になってしまう。
そんなマリソルにオットーが言った言葉。
はっきりと、文言まで覚えてないけれど、あの時オットーがマリソルに言ったのは、こういう意味じゃなかったかな?と勝手に解釈している。
「君は、この国で成功しようと思って来たのじゃないのか?慣れない英語も必死で覚えた。一生懸命勉強して大学を卒業し、大学院で修士号も取得した。愛する人と結婚して家庭を持つこともできた。可愛い娘が二人居る。それにもうすぐ君は、三人の母親になるんだよ。こんな事くらいでくじけていてどうするんだ!?」
それを聞いてマリソルは、覚悟を決めたように集中。明らかに落ち着いた運転をすることができるようになった。
自殺のことばかり考えていたオットーが、いつしか他人を励ますことができるようになっていく。
こうしてオットーは、いつか自然に死を迎える日まで、自分にできる事をしていこう。
自分の周りにいる人達の心を受け入れ、何かためになる事をしよう、と心に決める。
マリソルが、いい味出してた。
こんな隣人なら悪くない。
もし自分が、ずっとおひとり様なら、死ぬ前のオットーみたいに、周りの人たちを受け入れ、尽くして最期を迎えたい、と思うかも…。
自分の人生の、しまい方。
そんなこと、考えさせられる映画だった。