バスターミナルの花壇で見つけたプリムラ
先日、市内で一番大きな駅の近くで、カフェに入った。
いつもは、あんまり来ないところだけど、近くで用事を済ませた後、ひとりで行ってみた。
レジは混んでない。
ソイラテを注文して、受け取ってから席を探しに、店の奥に入って行く。
向かい合わせの二人席、というのが並んでいたのだけれど、ひとつ空いてる?と思ったら、よく見るとテーブルの隅に小ぶりのトレーが置いてある。
「この席には座るな!」アピールか?
トレーをどけて、座ろうかな?
でもふと見れば、その隣が、一番奥の席になっているのだけれど、そこに若い男女が向かい合って座っていた。
男性はスーツにネクタイ。女性もおしゃれしている感じ。
お互い恥じらうように、下を向いて何か言いながらペコペコしている。
まるで初対面の挨拶!
「ああ、そうか!婚活だ!」
……トレーをどけて座るのは、やめた。
そーっとしておきましょう。
お見合い、うまくいくといいね!
という訳で、別の席を探しに、もう一度入り口近くに戻る。
ウロウロしてる間に、二つ空いていたので、端から二番目の席に陣取った。
そこからは、レジカウンターがよく見える。
いつの間にか行列ができてる。
あとから、私の隣の席に男女の二人が座った。
見た感じ、優に七十歳は越えていそうな、お二人だった。
「ご夫婦かな?」と思ったけれど、違うみたい。
女性の方は、丁寧語で話している。「ですよ」とか、「しました」とか。
と思ったら、男性の方も丁寧語で話している。
何だか不自然なほど、長い無言の間がはいったり、男性の方が愚痴を言い出したりして、いったいこの二人の関係性は、ナニ?って思うほど!
いえ別に、私は聞き耳を立てていた訳ではございません。
スマホでニュースを読みながら、ラテを味わっておりましたとも!
でも、丸聞こえなんだから仕方ない。
二人は、趣味か何かのサークル仲間のようだった。
男性は「自分は、周りの女性達に怖がられている」と言う。
女性は否定せず、「怖い、って言ってる人が居る」などと、サラッと言う。
「それ、追い討ちだろ?」って、ツッコミを入れたくなった。
微妙な「沈黙」、と言う「間」をはさみながら、やっぱり男性の愚痴は続く。
うつむいてコーヒーを飲みながら、黙ってそれを聞いている女性。
ただ、「この女性は、この男性を怖がっては、いないんだな」というのが解った。
こうして、二人でカフェに立ち寄り、一緒にコーヒーを飲むくらいだもの。
なんだか、春だなあ!
春がそこまで来ているよ!って…
若い人だけじゃなくて、それぞれの世代ごとに、それぞれの恋愛事情があるのだろう。
またそれなりに、悩みは尽きないのだろうけど…
カフェでは何時も、何かが始まっているのかもしれない!